ものづくりの敷居とPinky:st.
この記事はMDAdventCalender2017の16日目の記事です。
初めまして、又はいつもお世話になっております。MD2年のれにこです。
今年は3Dプリンターでフィギュアを作ったり、もそもそ作ったキャラモデルを動かして苦難したりなどしてました。生き生きした動きって難しいですね。ちなみにこちらポートフォリオサイトでして、お時間の有る方は是非パソコンからゆっくりご覧になって頂けたら嬉しいです。
昨日はぎちょさんの「出会いの季節ですね。」でした。タイトルでちょっとドキドキしつつとても真面目なお話でした。人前で発表するのって楽しいですよね。私も今年あった出会いや出来事をちゃんと振り返って大切にしよう・・・と思いつつフィギュアの話をします。
同期の方はなんとなく覚えていらっしゃるかなと思いますが、前期の課題でPinky:st.というフィギュアをメインのモチーフにMVを制作しました。今回はPinky:stの存在と個人で作るフィギュアについて思ったところをざっくり書いていこうと思います。
写真はMVで使ったものと今撮ったものなんですけど画質が凄く荒れてしまって・・・そのうち差し替えたいです・・・。
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1.Pinky:st.(ピンキーストリート)って何?
ピンキーストリートとは、2003年から2011年頃に流行した組み換え可能なドールフィギュアです。写真の通り基本的には全体で六個前後のパーツ(+オプション)に分かれており、組み合わせてカスタマイズができます。
当時は遊べるフィギュアとしてアクションフィギュアというジャンル自体は存在していても、あくまでおもちゃに近く関節などが目立ち見た目の自然さには欠けていたため鑑賞目的とは分けて考えられていました。
その中で男女問わず愛されるデフォルメの効いたグラフィカルなデザイン、一つのパッケージにフィギュア一体と着せ替え用のボディが付いて600円ほどと低価格でプレイバリューが高く、遊べて飾れる斬新なオリジナルフィギュアとして人気を博しました。
カスタマイズした後は一緒に出掛けて写真を撮る、というような楽しみ方がされていて、公式でフォトブックも出ていました。シンプルなビジュアルだからこそ写真の撮り方によって表情が出て面白いです。
(手軽なサイズ感もあってか不思議と日常に近い場所にいるような扱いをする人が多かった印象があります。アンソロジーなどでもそういった描写が目立ってました。)
2.ワンダーフェスティバルとピンキー
ピンキーストリートは当時フィギュア系の覇権ジャンルともいえる流行り方をしていました。
ワンダーフェスティバル(コミケのフィギュア版みたいな物です)では右を見ればピンキーのオリジナルパーツ、左を見れば版権物の二次創作ピンキーのガレージキット、といった様子でした。
そうなった理由として、ピンキーは構造も簡単で塗装もフラットなのでカスタマイズを始めるにあたって必要な道具や技術が少なく敷居が非常に低かったのです。
公式でもカスタムマーカーやデカールのような用途のシールなども販売していましたし、
お手軽にネイルをピンキーのスカートに塗って「お揃い★」でも十分なクオリティにできました。
そしてフィギュア文化自体今よりずっと未発達だったので、統一された形式に沿って作り造形や複製の技術を学べるというのも強みだったと思います。
多くの人に『自分でも作れそう』という気持ちを持たせた結果、上級者も初心者も若男女も問わず人が集って非常に幅のあるコミュニティが構築されていました。
3.遊べるフィギュア文化の成熟と個人ディーラーの変化
どんな流行にも終わりは訪れます。ピンキーストリートは供給の遅さ、コラボの乱発によるユーザーとの需要のずれ、ねんどろいど等他のフィギュアシリーズの台頭などいろいろな要因が噛み合ってゆっくりと衰退していきました。今ではワンフェスに出品するピンキーディーラーさんは片手の指で足りるほどです。
現代における遊べるフィギュアの代表格のfigmaやリボルテック、ねんどろいどなどは2000年代後半に発売し、年々クオリティを上げています。特にグッドスマイルカンパニーのものは供給が早く、人気ジャンルの多くは公式で製品化され、塗装もエアブラシが必須の複雑なものが主流となり、値段もなかなかのものになってきたため改造する理由自体が無くなっていきました。
個人ディーラー全体の技術も洗練され、一から作ることが当然となったこともあって既存フィギュアから発展させる形の制作をするディーラーさんは少なくなりました。
(後はRAH等を見てると、安いものを複数買ってガシガシ遊ぶより高級志向で質のいいものを大切にする時代が来てるかなとも思います。それはそれで素敵ですね。可動の具合が気になるので一体ほしい。)
4.まとめ
フィギュアだけでなく、昨今のオタク世界全体が成熟期にあり、イラスト・動画・ゲーム等々いずれも物作りの敷居は上がっています。道具や技術を学ぶ機会は増え、学習環境が整っていていい時代ではあります。
一方セミプロ級の人が増えすぎて新しく参入はしづらく、画一化されてしまい自由なクリエイティブさや幅は狭まっていってしまいます。
(『誰でも最初は素人なんだから今下手なことを恥じずに黙って努力すればいい』VS『あんなにすごいのにプロじゃない人が居るなんて自分が参入しても無駄だろう』 同時に思ってしまうし結論の出ない戦いですね、作りたいものがあるなら結局黙って手を動かすしかないんですけど。)
そうはいってもまたあっという間に時代は巡り、今の状況も変わっていく事でしょう。
成熟の次に来るものは新天地でしょうか、それとも腐敗でしょうか。ピンキーがリバイバルとか嬉しいんですけど。
特にフィギュア業界は3Dプリンターとスカルプト系ソフトがぐっと身近になって来たことでまたもっと楽しい変化が起こると思います。
企業の方では2017年7月からサービスを開始したねんどろいどフェイスメーカーや、結構前から話題になっている3Dスキャナーを利用した記念写真的自分フィギュア、少し違いますがPSO2で自分のキャラクターのクリスタルフィギュアが作れるサービスなどオーダーメイドでオリジナルのフィギュアを作る、という流れも来ています。
自分はそういった流れの中でどう物を作って行こうか、と考えつつ。
後で後悔しないように今ある面白いものをきっちり楽しんでいこうと思います。
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というわけで長々とお話しましたがピンキーが可愛い事だけ覚えていただけたらオッケーです。
実は公式の原型師さんからまだ買えますよ→【べびすや】
気軽に買って嫁を作りましょうね。
もっと詳しくシリーズのことを知りたい方はこちら→【はじめてのPinky:st.】
全商品写真付きで網羅していたりカスタマイズのヒントが載っていたりする古参のファンサイトです。
現役活動中ディーラーさんの情報がほしい方はこちら【すべてがPになる】
こちらも古参ファンサイト、2016年の艦コレ二次ピンキーとかすごい出来なのでぜひ写真を見るべきです。
明日は佐藤氏の「百合から宇宙へ」です。
自分の推し百合の事を考えてるとぐるぐる回る鳥籠と袋小路に囚われる様な気持ちになるので明日の記事を読んで私も宇宙に至りたいところです。
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おまけ
有名なシリーズの発売年と価格帯の変化 リボルテック 2006年発売 当時2000円前後 現在2000円から4000円前後がメイン ねんどろいど 2006年発売 当時3000円前後 現在4000円前後 フロイラインリボ 2008年発売 当時2000円前後 現在展開なし figma 2008年発売 当時2000円前後 現在6000円から7000円強 初期からちょこちょこ買っていたのはfigmaとリボルテックくらいですけどどちらも本当にクオリティが上がっています。前は動かすたびに関節が落ちてたけど今は『よく動く、きれい』に偽り無しって感じです。 武装神姫系もFAGになって素体の可動域と美しさがグッと上がって、AGPは顔も塗装もfigmaとはってる上にメカがかなり面白く今は可動フィギュアが楽しい時代ですね。
れにこの推し百合はフェアリーテイル・レクイエムのオデットとオディールです。
主人公と結ばれると不幸が確定するヒロイン、百合に男をぶち込んではいけない。ファンディスクの前日譚がとても素敵です。
年齢制限のあるゲームですけど話はもちろん設定とUIが面白くておすすめです。